2020保険年度の国際P&Iグループの再保険契約プログラムについて

2012/13保険年度以降の再保険プログラムのロスは、再保険会社が容認できる範囲内ではあったものの、再保険市場の全体的な硬化と保険料引き上げのプレッシャーが見受けられます。グループのキャプティブ(IG自家保険会社)であるHydra Insurance Company Limited (「ハイドラ」)の一貫したポジティブな金融面の動きと相まった、複数年契約による個別再保険契約の効果的活用により、引き続き、グループには満足の行く再保険契約の更改が実現しました。つまり、船主加入メンバーの皆様の再保険料率は、すべての船種カテゴリーで据え置きとなります。

2020/21保険年度の各クラブ保有額は、引き続き1千万ドルとなります。超過再保険におけるアタッチメント・ポイントも1百万ドルに据え置かれます。

現在の2019/20保険年度に生じた構成の変更に伴い、2020/21保険年度においては、下記の点を除く大きな変更はありませんでした。1億ドルを超える10億ドルの5%にかかわる複数年再保険契約が期間満了を迎えたため、第一レイヤーについて各10%の2つの個別再保険契約を手配しました。これにより、10%の個別再保険契約は3契約となり、残りの70%は再保険市場で手配しました。

従って、ハイドラが引き受けた1億ドルの年間累積免責額(「AAD」)は、引き続き、この再保険プログラムの第一レイヤーで70％以内のマーケットシェアとなります。第一レイヤーは、変わらず1億ドルから7億5千万ドルまでを限度としてカバーします。第二レイヤーは7億5千万ドルから15億ドルまでを限度とし、第三レイヤーは15億ドルから21億ドルまでをカバーします。21億ドルを超える10億ドルをカバーするオーバースピル再保険のレイヤーについても変更はありません。

2020年2月20日以降、再保険の構成にこれらの若干の変更が以下の通り生じますが、引き続き、ハイドラはローワー・プール(3千万ドルから5千万ドル)の100%を引き受け、アッパー・プール (5千万ドルから1億ドル)の92.5%を引き受けます。さらに、ハイドラは超過再保険の第一レイヤーの70％のマーケットシェアのうち、1億ドルのAADを引き受けます。

以下の図表は、2020/21保険年度のGXLプログラムの変更後の構成を示しています。

(1千万ドルを超えて2億ドルまでを限度とする)再保険市場のカバーは、海上労働条約(MLC)が結んだ経済的な安定に備えて、P&Iクラブのグループがメンバーの皆様の認可条件(certification requirements)を満たすべく提供しているサポートの一環として2017年1月18日から適用されています。このカバーは、2020年2月20日からさらに12か月間良心的な価格で更新されますが、この期間に適用される再保険料率も以下に提示されているものとなります。

よって、2020年の再保険料率は、戦争危険特約の補償範囲(向こう12か月)を含め、以下の通りとなります(数値は小数点以下3桁を四捨五入しています)。

再保険市場における更改は、(保険コストの安定を図り)2年契約を締結したものの、上記の再保険料率については、2020/21保険年度の1年のみの適用となります。

 北米航路サーチャージについて

2014/15保険年度における決定を受け、1990年のOPA(米国の油濁法)にて制定された米国または米国の排他的経済水域内の入出港時に、持続性油(persistent oil)を貨物として輸送しているメンバーの皆様におかれましては、引き続き、追加保険料の支払いは免除されています。

当クラブの保険引受部門では、上記に関する皆様からのご質問をお待ちいたしております。

THYA KATHIRAVEL
CHIEF UNDERWRITING OFFICER (チーフ・アンダーライティング・オフィサー)
The North of England P&I Association Limited / The North of England P&I DAC